予防

予防とは

予防とは、読んで字のごとく 『予め、防ぐ』ことです。
この予防ですが、歯科での予防には「発症予防」と「重症化予防」の二つがあります。

これまでのように悪くなってしまってから、歯科医院に行き、治療して終わり。また悪くなったら、また通って治す。という流れではなく、虫歯や歯周病にならないように通う。虫歯や歯周病になっても悪化しないように通う。というものです。以前からこうした考えはありましたが、この予防のメリットの大きさが、最近の研究で明らかになっており、国も骨太の方針や、診療報酬改定の度に歯科においての予防の評価を高めています。

当院で40代からの予防歯科を特に重視する理由

  • ①40代くらいから口腔内の状態がいい人とそうでない人での差が大きくなり始める。
  • ②悪化する前から予防しておけば その後のいい状態で過ごしやすい。
  • ③歯周病や口腔機能が悪化した場合、口だけでなく、全身にも悪影響が出る可能性が高い。
    などの理由から、40代からは特に予防のための通院を強くお勧めしております。

以下、各年代別に大雑把ではありますが、各年代で異なる特徴と予防の目的について説明いたします。

40~50代の方

仕事や家事、家族の世話など忙しく自分のことが後回しになりやすい世代です。少し不具合があっても「まあいいか。」 「また後で。」となりやすく、悪化してから、我慢できなくなっての来院、というケースが多い世代といえるでしょう。

定期的に予防処置を受けながらの通院なら、重症化のリスクが抑えられて、結果的に治療費や治療時間が少なくて済みます。また、歯周病は、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞などのリスクをあげることが報告されています。

歯周病による全身への悪影響についてはこちら

統計によると男性の約19%、女性の約12%は70歳より前に生活機能が急低下する(要支援、要介護状態になる)そうです。この原因の1つに脳血管疾患があります。歯周病治療、定期通院による重症化予防によりこのリスクを下げることは大きなメリットだと考えています。

40代くらいから少しずつ歯茎が下がり歯が長くなっているように見えることがあります。これは若い時は歯茎の下に隠れていた歯の根の部分が露出してきているのです。

この歯の根(歯根部といいます)は若い時から見えている歯の部分(歯冠部といいます)と比べて軟らかく、冷たいものでしみやすく、虫歯になりやすい所です。定期的にしみ止めや虫歯予防のフッ素を塗り続けることで、刺激や虫歯に強い歯を作り上げることが可能です。

虫歯、歯周病の発症予防、重症化予防のための定期的に通院する習慣を40代50代でつけることは、口腔のみならず、全身の疾病リスクを下げる意味でその後の人生において、大きなリターンが得られる行動だと言えるでしょう。

  • まとめると
    ①早期発見、早期治療 重症化予防を行う方が、時間も費用も少なくてすむことが多い。
  • ②歯周病のメンテナンスによって、全身の疾病リスクの軽減が期待できる。
  • ③これからのことを考えると定期的に通院する習慣をつけれることはメリットが大きい。
    ということがいえます。

60代から70代前半の方

以前から 予防のための検診や通院を続けていた方と そうでない方の違いが大きくなっている世代です。治療してある歯や、抜歯により無くなった所に補綴物(ブリッジや入れ歯など)も増えてきます。このため口の中が複雑になり家庭での歯磨きだけでは、不十分なケースが認められます。

糖尿病や高血圧症、女性の方ですと骨粗鬆症などの病気で通院、内服中の方も多くおられます。全身疾患によっては抜歯が困難な場合もあります。ですのでしっかりと予防をし、歯を抜かなくていい状態を保たねばなりません。ですが前述のとおり家庭での歯磨きだけでは、しっかりとした清掃が困難な場合が多く、歯科医院での予防処置は必要であると考えます。

前述の統計によれば、男性の約70%、女性の約88%は70代後半から緩やかに低下していき80代後半から90代になると生活の多くの場面で何らかの補助、介助が必要になるそうです。この原因は加齢による身体機能の衰え(フレイル)によるものが多いとのことです。このフレイルの状態になる前にオーラルフレイル(口腔機能の衰え)が認められることが多いです。

このオーラルフレイルは早期に発見し、対策をとることで改善が認められることも多く、健康保険では口腔機能低下症として50歳以上の方は検査できますし、地方自治体も対策に乗り出しています。総社市も2021年から取り組みを始めました。

この年代の方々はまだ元気な方が多いので、前述の虫歯予防、歯周病予防、オーラルフレイル対策を行うことで、要介護状態にならないように、なるとしても出来るだけ遅らせられればと思います。

フレイル、オーラルフレイルについての説明はこちら

  • まとめると
    ①この年代の方々は40代50代の方々のよりも頻繁に通院していただき、しっかりとメンテナンスを行う必要があります。
  • ②口腔機能が低下し始めている方が増え始める年代ですので、対策が必要になってきます。
  • ③歯周病予防、虫歯予防、オーラルフレイル対策をとることで、その後の健康寿命を伸ばし、要介護状態にならないようにすることを目的とします。

70代後半以降の方

8020運動が功を奏しているのか、半分以上の方が80歳でも20本以上歯が残っているとのことです。これはとてもいいことで自分の歯が多く残っていると、寿命が長くなり、健康寿命も伸び、要介護でいる期間が短いという研究結果が発表されました。
また、60代〜70代前半の方型と比べ全身に様々な疾患を抱えている患者さんも多くなっています。治療時の体調、治療法、投薬内容に注意し、必要な時には主治医の先生とも連絡をとりながら治療する必要も出てきます。以上のことから抜歯しなくていい状態、軽い治療ですむ状態を維持し続けることは、とても重要です。

歯が残っている方が増えてきているとはいえ、やはり入れ歯の方も多くいらっしゃいます。
入れ歯は一度作ったらずっと使えると思っておられる方も多いとは思いますが、当院では入れ歯(特に保険の入れ歯)は消耗品だと考えております。まだ使えてるから大丈夫ではなく 、使っている内に新しく入れ歯を作り1組は予備の入れ歯を持つようにお話をさせていただいております。そうして新しく入れ歯を作り直して咀嚼能力の検査を行うと、慣れている入れ歯より新しい入れ歯の方がよくかめていることがほとんどです。

このようなことも、定期的に通院していただき、お口の機能を測定し把握しておくことや、入れ歯の調子をお伺いしているからできることです。

入れ歯と健康についてはこちら

前述のオーラルフレイルが さらに進み口腔機能低下 口腔機能不全に陥ると、低栄養 筋力低下による、咀嚼、嚥下障害や 誤嚥性肺炎、転倒などのリスクも上昇します。

歯を守り、リスクの少ない治療を行い、健康寿命を伸ばし要介護になりにくい生活をおくるためには、

  • ①歯周病と虫歯予防を徹底し、定期的なメンテナンスをおこなうこと。
  • ②歯ががない所がある方はしっかり噛める補綴物(入れ歯やブリッジ)を作ること
  • ③口腔機能の低下に注意し定期的に検査し、機能の維持、向上のための対策を行うことが必要であると考えます。
         

中田歯科医院のメンテナンス予防処置

歯周病安定期治療(SPT)

治療内容

歯科衛生士がお口の状態をみて治療を実施します

  • 歯周病の状態のチェック
  • 口腔衛生指導
  • 歯周ポケット内の清掃
  • スケーリング(歯の表面の歯石や細菌の塊を除去する処置)
  • 専用の器具と研磨剤を使用して歯を磨きます(3~12ヶ月に1度 歯周組織検査)
  • PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)
メリット

歯周病安定期治療を定期的に行うことにより、歯周病の予防を実現することができます。また、治療の中でむし歯の早期発見、入れ歯などの調整などお口の定期管理が上手にできるようになります。

フッ素塗布

市販の高濃度フッ素入り歯磨剤の6倍以上の高濃度フッ素ゼリーを塗布します。

医療費と歯科検診の関係

医療費と歯科検診の関係のイメージ画像

ある大手の企業では、平成8年から定期的に歯科検診を実施したところ、 歯科医療費が4割削減できたそうです。歯科検診にかかった費用より、 削減できた医療費の方がはるかに大きかったそうです。

また、残存歯数が0~4本の方と、20本以上ある方では、 年間の総医療費に約18万円の差が生じるというデータもあります。

超高齢社会において、医療費は毎年1兆円ずつ増え続けています。 通院費用の削減のためにも口腔内の健康を保つのがいかに大切かおわかりいただけると思います。

残存歯数と総医療費の関係

「口腔内が健康で残された歯の本数が多いほど、 総医療費が少なくなる」というデータが多くの歯科医師会・大学等の研究機関から発表されています。

【残存歯数と総医療費の関係】(平成17年香川県における調査結果)
総医療費は1.5倍
  • 残存歯数「0~4本」の人は…¥541,900/年
  • 「20本以上」の人は…¥364,600/年
糖尿病医療費は1.4倍
  • 残存歯数「0~4本」の人は…¥317,100/年
  • 「20本以上」の人は…¥219,600/年
  • 重症の歯周病の人は…¥270,000/年
  • 歯ぐきが健康な人は…¥200,200/年
虚血性心疾患医療費は2.3倍
  • 重症の歯周病の人は点…¥362,300/年
  • 歯ぐきが健康な人は…¥154,200/年
脳血管疾患医療費は2.3倍
  • 残存歯数「0~4本」の人は…¥382,200/年
  • 「20本以上」の人は…¥169,400/年

健康な歯を残してより豊かな老後を

健康な老後のイメージ画像

日本人の平均寿命は、2010年厚生労働省の発表では、男性79.55歳、女性86.30歳で、これは世界でもトップレベルです。長寿になった現代、いつまでも生き生きと自立した生活を送るために、「健康寿命」に注目していただきたいと思います。 厚生労働省による2010年の健康寿命は、男性70.42歳、女性73.62歳です。

オーラルケアはお口の健康アップのためだけでなく、 からだの健康を保つためにも重要であるとの報告が多く発表されています。

近年、健康意識が高まりにより、定期的に運動をする方が増えてきたように思います。 食事に対しても気を遣う方が増えました。

健康的な習慣のひとつに、定期的に歯科医院に通って検診やケアを受けることをぜひ 取り入れていただきたいと思います。 理想的な来院ペースはおよそ1~3ヶ月とされています。 その人の状況に応じて変化します。

歯科検診の習慣がある患者様と、 痛くなったときにだけ歯医者さんへ通う患者様では最終的な残存歯数が異なります。

それだけではなく、健康面においても大きな差が出てきます。 ずっと不自由なく食事をおいしく食べ、 年齢を重ねても健康で居続けるためにも予防歯科を受けていただくことが大切です。

おとなのむし歯の特徴

二次う蝕

一度治療した歯は、むし歯になりやすくなっています。

神経を取った歯は痛みを伴わないので気がつきにくく特に注意が必要です。

隣接面う蝕

歯と歯の間にできる虫歯です。清掃しにくく虫歯になりやすい箇所で、発見しづらいのが特徴です。

根面う蝕

歯肉が下がって露出した歯根面は、歯冠部(エナメル質)と比べ、大変むし歯になりやすいため特に予防が必要です。

中田歯科医院での歯のお手入れ

サンプル画像

中田歯科医院では下記のような厳選したクリーニングアイテムを使用して、徹底的に歯のお手入れをいたします。

フルオール・ゼリー(フッ素)

※塗布後30分は飲食・洗口を控えてください。

※リン酸酸性フッ化ナトリウム9000ppm pH3.5歯科専用の高濃度フッ素(1~3か月に1度のペースでの塗布)

市販の高濃度フッ素含有歯磨剤の6倍以上。

フッ素には虫歯予防、口腔内の虫歯菌(ミュータンス菌)の活動抑制効果があります。

毎日のセルフケアではハミガキ粉などで低濃度フッ素を使用し、 プラスαで高濃度のフッ素による虫歯予防をすると効果的です。 フッ素の取り入れがよい、生えたての永久歯やお子様の予防以外にも、 知覚過敏や根面虫歯予防のため幅広い年齢層の方にオススメです。

2色に染まる染め出し液

染め出し液とは、歯に塗ると汚れている部分が染まるお薬です。

学校などで使用される染め出し液はよくご存知かと思いますが、 当院で使用している染め出し液はなんと汚れによって2色に分けられます。 この染め出し液は、新しい汚れはピンク、古い汚れは青色に染まります。

つまり、古い汚れの青いところには細菌が多く、 歯周病や虫歯の原因になる菌がたくさん潜んでいることがわかります。(3日以上たった汚れと言われています)

汚れがあるということは、普段のご自身の歯磨きでは落としきれていない汚れがあるということで、 その汚れを取り除くためには、正しい歯磨きの方法を身に付けることが大切です。 歯科衛生士が1人1人にあった歯ブラシやブラッシング方法を提案します。正しいブラッシング習慣を身に付け、きれいな口内を維持し続けることを目指しましょう。

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