歯周病による全身への悪影響について

歯周病による全身への悪影響について

歯周病とは、歯と歯茎の境目の歯周ポケットというところに、細菌が感染し炎症を起こしている状態です。その細菌や細菌が生成する毒性物質(炎症性サイトカイン、炎症伝達物質)が歯肉の血管から入り全身を巡り、様々な病気を引き起こしたり、悪化させる原因となります。

血管に入り込んだ歯周病菌が血管を傷つけたり 毒性物質が血管炎症を引き起こしたりすることで、動脈硬化を誘発、悪化させているのではないかと考えられています。

アテローム性動脈硬化と心筋梗塞、脳梗塞の関係性

アテローム性動脈硬化とは動脈の内側に粥状の塊が発生している状態です。動脈の内側が厚くなることで血液が流れる血管腔が狭くなり、血液がにくくなったり、その塊の部分で血栓を作り、この血栓が流れて細い血管でつまり血流を遮断してしまうことにより、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。

血中に侵入した歯周病菌が血管内で炎症を起こしアテローム性動脈硬化を促進させ、さらに炎症性サイトカインによりさらにその炎症反応が促進されます。結果として心筋梗塞や脳梗塞のリスクが上がることになります。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症患者の脳内から歯周病菌が見つかったことが報告されており、歯周病菌とその毒性物質がアルツハイマー型認知認知症を悪化させる可能性が指摘されています。

また、歯周病患者は、アルツハイマー型認知症の原因物質と言われるアミロイドβと言う物質が脳内に蓄積されやすいと言う報告があります。アミロイドβの蓄積は、認知症発症の20年以上前から始まっているといわれています。多くの認知症の発症が70代後半から80代ですので、50歳くらいから溜り始めるのではないでしょうか。

糖尿病

歯周病菌が産生する毒性物質にはインスリンの働きを弱めるものがあり、これにより糖尿病を悪化させると言われております。また糖尿病が悪化すると歯周病も悪化し再度糖尿病に悪影響を及ぼします。このように歯周病と糖尿病は双方向に影響を及ぼし合う疾患といわれてます。

非アルコール性脂肪性肝炎

血液に侵入した歯周病菌や、歯周病の影響で産生された毒性物質などが肝臓に悪影響を及ぼし、非アルコール性脂肪性肝炎の病態を悪化させると言う報告があります。

関節リウマチ

関節リウマチ患者は歯周病の罹患率が高く、重症化しやすいと言う報告があります。歯周病菌が産生する毒性物質により病気が悪化しやすいのではないかと考えられています。

誤嚥性肺炎

歯周病菌が飲食物や唾液に混じって誤って肺に入ると誤嚥性肺炎が発生することがあります。

カテゴリー:ブログ
投稿日:2022年7月4日

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